Now Hear This!
Index
Title | Artist | Label&Number | Year |
Flowermix | No-Man | Resurgence Records, HI-ART 2 | 1995 |
Heaven Taste | No-Man | Resurgence Records, HI-ART 1 | 1995 |
Way To Blue | Nick Drake | Island Records IMCD 196 524-007-2 | 1994 |
Penguin Eggs | Nic Jones | Topic Records TSCD 441 | 1991 |
Groovy Chocolate・・・Stick '70S | V.A. | COLY-3095 日本コロンビア | 1995 |
Gestalt | Gestalt | sweet honey record MFCA-5 | 1996 |
HARA | カマール・トラバス | alliance music ALD 050 | |
エチーダー・チェドゥ | ママエー | ||
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Flowermix(Resurgence Records, HI-ART
2)Go To Index
Andrew Booker氏に教えてもらったもう一つのアーティスト。Porcupine TreeのSteven
Wilson と Tim Bouness
の2人が中心にゲストが参加するような形になっています。このアルバムにはゲストとして
Robert Fripp と Mel Collins が参加していて、この2人が参加した
angeldust
は、フリッパートロニクス風の音とソプラノサックスが中々いい雰囲気を出してプログレ風な音作りになっていますが、他はアンビエントなので打ち込みの無機的なリズムに、シンセサイザーの音という殆ど肉体的なリズム感のないサウンドでつまらない。しかも妙に低音をブーストした音には疲れます。Fripp
と Collins 目当てに買うのはお勧めできません。
Heaven Taste(Resurgence Records,
HI-ART 1)Go To Index
さて、このアルバムも同じ年にリリースされてはいますが、こちらは過去に録音したものをリミックスしたりして寄せ集めたもの。基本はアンビエントですが、Flowermixにも参加していたバイオリン奏者
Ben Coleman
の冷たく鋭いバイオリンがフィーチャーされていてアンビエント色がそれほど強くない分、抵抗なく聴くことができます。21分強のタイトル曲
heaven taste は、Richard Barbieri, Steve Jansen, Mick Karn
といった JAPAN
の面々が参加して、他とは一味違った完成度の高い曲になっています。ただし、殆どシンセの音なので「皆でシンセを持ち寄って気持ちのいい音を作ってたらこうなりました。」と聞こえなくもありません。ちなみに、このアルバムには
road という Nick Drake の曲が入っていますが、Porcupine Tree
の The Sky Moves Sideways
は彼に捧げるというクレジットがありました。確かに、この2つのプロジェクトのアルバムからはそういった雰囲気が感じられなくもありませんが、所詮雰囲気だけで、彼の暗く沈んだ独特の世界には遠く及びません。
Way To Blue(IMCD 196 524-007-2
Island Records>Go To Index
Nick Drake
の名前が出てきたので、1969年から72年までに3枚のアルバムを残して自殺した彼のベストアルバムを紹介しておきましょう。もちろん、総てのアルバム
Five Leaves Left(1969), Bryter Layter(1970), Pink Moon(1972)
はCD化され、未発表曲集、BOXセットもあります。アコースティックギター、ダブルベース、ストリングスなどを使用し、曲によっては演奏にジャズの雰囲気もあって淡々としたボーカルとともに陰りのある独特の世界を展開します。
Penguin Eggs(TSCD 441 Topic Records>Go To Index
なんの脈略もないんですが、Nick
という名前で思い出したので、イギリスのトラッド系SSW、Nic
Jones
のアルバムを取り出してきました。これは恐らく彼の代表作と言えるものです。1曲目の
Cnadee-I-O
は力強いピッキングのギター弾き語りで「水兵と恋に落ちた娘がその船に水兵に変装して乗込み半年以上の航海を経てカナダへ着き、結局そこで船長と結婚する。」という物語を力強く歌い上げます。現在は交通事故で再起不能と伝えられているのが残念です。事故後も他のアーティストのアルバムにゲスト参加しているのを見つけましたが、このアルバムで聞かれるギターやボーカルには程遠いものでした。
Groovy Chocolate・・・Stick '70S(COLY-3095
日本コロンビア)Go To Index
My Love Grows(恋のほのお) | / エジソン・ライトハウス |
Soley Soley(お!それ!それ!) | / ミドル・オブ・ザ・ロード |
Pappa Joe | / スイート |
Ride Me Easy Rider | / ヴィネガー・ジョー |
Radancer | / マーマーレード |
Birthday Lady | / エミット・ローズ |
Gotta Be Me, Gotta Be You | / トニー・ハザード |
Matrimony | / ギルバート・オサリバン |
What's Good About Goodbye | / フリルテイションズ |
Bring a Little Light into My World | / ピケティ・ウィッチ |
I Believe | / ホット・チョコレート |
My Baby Loves Lovin'(恋に恋して) | / ホワイト・プレーンズ |
Don't Go near the Water | / シルヴィア・マクニール |
Picure Painter | / クリスティー |
Will the Circle Be Unbroken | / ペンタングル |
Mighty Man | / マンゴ・ジェリー |
Earth Mother | / レズリー・ダンカン |
こういった内容の、「70年代の一発屋を集めた」というウリ文句のレーザーディスクです。ペンタングルを他のポップアーティストと一緒にして「一発屋」と言ってしまうのは抵抗がありますが、それにしてもよくこれだけのアーティストの映像を集められたものだと感心します。しかも、クリスティーは一発屋とひと括りにしつつ最大のヒット曲
Yellow River
でないところが、なんとも珍しい。この中で注目すべきは、エジソン・ライトハウス、ホワイト・プレーンズのボーカリストが実は同じでトニー・バロウズであったこと。これらのアーティストの曲の作者がロジャー・クック&ロジャー・グリーナウェイというソングライターチームであり、トニー・マッコウレイという人も曲を提供しプロデューサーもやり、更にマッコウレイはピケティ・ウィッチにも曲を提供しているという、訳の判らないくらいややこしい関係が存在しています。この辺の事情は
サラリーマン浅田さんのホームページに相関図も含め詳しく書かれているので、ご覧ください。
Gestalt(sweet honey record MFCA-5
1996)Go To Index
9月21日にCDデビューした名古屋を拠点に活動するバンドの6曲入りミニアルバムです。実はCDそのものはまだ未入手なので、ジャケット写真はパソ通を通じて知り合ったサックスプレーヤーの吉本さんに頂いた非売品サンプルテープのものです。基本的にはスラッシュメタル的な音とクリムゾンをベースにしたようなプログレサウンドの融合を指向した音なのですが、特にサックスの入った曲になるとクリムゾン色が感じられます。ボーカルはちょっと癖のあるなかなか聞かせる声質で英語の歌詞が付いています。残念なのは全体的にまじめな音作りになっていること。もう少しGONG的な遊びもあれば、メタル+プログレ+GONGという独特な世界を作り出せるんじゃないだろうか。名古屋近郊の方は12月7日
名古屋 MUSIC FARM でライブがあるので、興味ある方は是非生の音を体験してみて下さい。(私も近ければ是非行きたいところです。)
HARA(FAR FAR 117)Go To Index
スーダンのポップ歌手(?)によるテープです。これが当地でメジャーなタイプの音楽であるかどうかは知りませんが、基本的にはレゲエのリズムに長調の明るいメロディーの乗った、なんとも能天気で不思議なサウンドです。これを見つけた通販リストに書いてあった「スーダンの盆踊りまっさかりという感じ。」というコメントがもっとも適切な表現でしょう。で、ちょっとかすれたコブシのまわるボーカルは、そのメロディーの影響もあって、どことなく日本の歌謡曲の様な雰囲気。この歌謡曲或いは演歌的メロディーというのは、どうやら世界中にあるようでどこかに起源があるのか、それとも同時多発的にできあがったのか、とても興味あるところです。
エチーダー・チェドゥGo To Index
ミャンマーのタンズィンというジャンルで、自由奔放という言葉がぴったりのフリーフォームな感じの音楽です。今回はピアノ、ストリングス系のシンセ、伝統楽器と思われる弦、そして草笛のような音色が印象的な笛をバックに、こぶしの回る小鳥のさえずりを歌にしたような不思議なメロディーから、60年代の日本の歌謡ポップス的なメロディー、1曲の中でこれらの間を行ききする構成。大げさでなく釘付けになる音。お薦めです。